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S-T吸収を発現するレドックス光増感錯体の開発

 ほとんどのレドックス光増感錯体は、光励起により一重項励起(S1)状態となり、超高速の項間交差を経て三重項励起(T1)状態を生じる。電子移動反応は、長寿命のT1状態からのみ起こるが、T1状態を生成するまでに多くのエネルギーをロスしてしまう (図1左)。また、太陽光エネルギーの有効利用という観点から、より長波長側の可視光を吸収することが重要である。
 そのため、本来スピン反転を伴うため禁制遷移であるT1状態への直接遷移 (S-T吸収、図1右) を発現するレドックス光増感錯体を開発する。これまでにS-T吸収を示すルテニウム(II)錯体やオスミウム(II)錯体光増感剤を開発した。特に図2に示すオスミウム(II)錯体は、可視光の全領域を利用できるレドックス光増感剤として働いた。またS-T吸収をイリジウム(III)錯体やレニウム(I)錯体へと展開・一般化し、S-T吸収を発現する原理や分子設計を明らかにする。

図1. (左)通常の光増感錯体の光物理過程と(右)S-T吸収を発現する光増感錯体の光物理過程

図2. 可視光全域を利用できるオスミウム錯体光増感剤