ゼオライト

ゼオライトとは、規則的なミクロ孔(直径 2 nm 以下の穴)と呼ばれる細孔をもつ、結晶性複合酸化物の総称です。代表的なゼオライトはアルミノシリケートであり、 図5に示すように、SiO4(あるいはAlO4)四面体が酸素原子を介して3次元的に連結した構造をもっています。

Si-O-Si(あるいはSi-O-Al)結合を1本の直線で表してゼオライトの構造を簡略化したものを図6に示します。 Y型ゼオライトは、直径0.74 nmの細孔入口をもち、市販のゼオライトの中では最も大きな細孔をもつゼオライトです。 ZSM-5型ゼオライトの細孔はそれよりやや小さく、ベンゼン環がぴったり収まる程度の大きさです。 このように大きさと形の異なる細孔からなるゼオライトが200種類以上知られています。

ゼオライトには以下のような特徴的な機能があります。

  1. 吸着能:簡単な分子を細孔の中に取り込むことができるため、高い吸着能をもっています。
  2. 分子ふるい作用:細孔径が均一で分子レベルの大きさであるため、細孔径より大きな分子と小さな分子を分離することができます。
  3. イオン交換作用:カチオン交換作用を示します(図7)。
  4. 固体酸性:イオン交換によりプロトンを導入すると、強い酸性を示します。
  5. 触媒作用:プロトン交換した酸性ゼオライトおよび金属カチオンを導入したゼオライトは、さまざまな触媒作用を示します。