腰原・沖本研究室
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(EDOTTF)2PF6結晶の異常な光励起状態
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電荷移動錯体 (EDO-TTF)2PF

(EDO-TTF)2PF6は有機超伝導を目指した研究の中で合成された物質であるが、超伝導を示さなかったため今日まであまり注目されなかった。この物質の特徴はEDO-TTF分子が積層1次元的鎖構造をとり、この分子当り0.5個の電子はこの鎖に沿って移動することが出来るので1/4filling系と呼ばれる。この物質においては、高温では比較的自由に動き回っていた電子が、低温ではいわば凍り付いて秩序(電荷秩序化)を形成し、金属相から絶縁相への相転移が起こる。このように電子間の相互作用、電子と結晶格子の相互作用が大きく協力的で協同現象を示しやすい物質です。 我々はこの物質では光誘起相転移が発現するとの期待を持ち、この物質に超短光パルス光の照射実験をしたところ、光の反射率の大きな変化を観測した。この反射率変化が発生するのは、絶縁相と金属相間の相転移が光によって誘起される(光誘起相転移)ためと考えている。これは光によって誘起された相転移がドミノ倒し的に結晶全体に拡がってゆくと考えられ、微弱な光でも相転移が十分に起っている。反射率の変化時間は最短で0.2ピコ秒(5兆分の1秒)程度と極めて短く、励起する光の強度に応じて反射率変化が持続する時間がおおよそ1ピコ秒からマイクロ秒まで大きく変化するという多彩な反射特性変化を示す。 また、この光誘起相転移は、室温近辺でも発生する。


相転移の前後での格子変形分子の様子



反射率変化 縦軸はすべてR/ΔR 励起波長:1.55 eV (800nm),  2 - 6.4×1014 Photons/cm2 (30-100 mJ/cm2)500-1500分子に1つの励起光子 最初のスイッチング過程は0.2ps (5THz)振動構造も1.5ps以内で終了



EDO−TTF分子の1次元的な構造と光励起の様子


“Gigantic Photoreponse in 1/4-Filled-Band Organic Salt (EDO-TTF)2PF6”,Science,Vol.307,2005,pp.86-89  M.Chollet他

“Ultrafast photo-response in (EDO-TTF)2PF6”, J.Phys.・ France 114(2004)143-145  N.Uchida他

“Ultra fast and sensitive photo-induced phase switching in (EDO-TTF)2PF6”, J.Luminescence(2005) in press  M.Chollet他

“PHOTO-INDECED PHASE SWITCHING IN ORGANIC DIELECTRICS”, 2005  in press  S.Koshihara他

“Probing photoinduced phase transition in a charge-transfer molecular crystal by 100 picosecond X-ray diffraction”,Chem.Phys.299(2004) 163 L. Guerin他

“Ultrafast photo-indeced phase switching in (EDO-TTF)2PF6”, Synth.Metals(2005)  in press  S.Koshihara他

“Fast photo-indeced phase switching in oganic conducter crystal; (EDO-TTF)2PF6”, Springer.Series(2005)in press  M.Chollet他