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梯子型銅酸化物Sr14-xCaxCu24O41における光誘起電子相制御
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梯子型銅酸化物Sr14-xCaxCu24O41における光誘起電子相制御

銅酸化物高温超電導体は、二次元のCuO2格子面が超伝導の舞台であることが知られています。しかし、擬一次元の梯子格子においても超伝導が発現することが理論的に予測され、その中で一次元鎖と梯子格子を有するSr14-xCaxCu24O41が唯一高圧下で超伝導が発現することが報告されました。この系の物性は梯子格子が担っており、母物質であるSr14-xCaxCu24O41では、梯子格子内のホールが梯子垂直方向(a軸)にペアを形成し、210K以下で梯子方向(c軸)にホールペアによる電荷密度波(CDW)を形成することが知られています。またSrをCaで置換することで梯子格子内のホール濃度が増加し、Ca(x)=9以上で低温高圧下のもと超伝導が発現します。我々はこの系に着目し、おいてフェムト秒パルスレーザー光を照射することで物性の超高速な光制御・光による新奇な物質相の発現を目的とした研究を行っています。 本研究では、CDW状態(100K)のSr14-xCaxCu24O41にレーザー光を照射すると閾値的にCDWが融解し、熱励起を超えた金属状態が生成されることを反射率変化から明らかにしました。レーザー光照射後瞬時に、中赤外域にみられる自由キャリアに起因した巨大なドルーデ応答の出現を観測しました。励起光強度を調整することで、生成された光誘起金属相のキャリア密度をCa置換と同様に連続的にキャリア密度を制御することに成功しました。これらの結果は、光誘起相転移現象(CDW→金属)の典型例であり、超伝導を示すこの系の電子相を光のみで連続的に制御可能であることを示しています。現在、この系で見られる梯子構造特有の光誘起現象に関する研究を進めています。 本研究は東京工業大学応用セラミクス研究所・笹川崇男研究室との共同研究です。


図1. 梯子型銅酸化物Sr14-xCaxCu24O41の結晶高構造



図2. 100 K (CDW)における光照射1 ps後の過渡反射スペクトルと、100 K (CDW)および290 Kにおける定常反射スペクトル