岡田・火原研究室│東京工業大学大学院理工学研究科化学専攻

研究内容

分光測定デバイス    氷をクラッド、液体をコアとする光ファイバー


 液体をコアとする光ファイバーを形成すると、液体中を光を導波し、光路の長く、高感度の分光測定が可能になります。このためには液体より屈折率の小さな物質でコアを囲む必要がありますが、表に示すように一般の固体物質は液体より大きな屈折率を持ちます。氷は数少ない屈折率の小さな固体です。


液体コア/氷クラッド光ファイバーと分光計測


 上の写真は、氷の中に形成した曲がったトンネルにレーザー光を入射したときの様子を示したものです。左ではトンネルは空で空気が入っています。これは光導波路になりませんので光はすぐに散乱して出口まで届きません。一方、右の写真のように中に水溶液を入れると光が出口まで導かれている様子がわかります。
 左図は、このようにして作った氷クラッドー液体コアの導波路を分光測定セルとして用いたときの計測結果を示しています。左は5cmの光路長セルとして用いた場合、右は濃度の異なる色素溶液を繰り返し導入して得られた吸光度の変化を示しています。