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セリアの熱膨張と格子定数

Δa/a0 (%) = -0.24805+0.00074078*c0+3.8492*(10-7)*(c02)-6.4906* (10-11)*(c03)
ここでc0は絶対温度。計算するときに単位が%であることに注意する。
この式はTable40R in Thermal Expansion Nonmetallinc Solids, Thermophysical properties of Matter Vol. 13, Edited by Y. S. Touloukian, R. K. Kirby, R. E. Taylor and T. Y. R. Lee, IFI/Plenum Pub. Co., New York, (1977).に出ている100-1600Kの熱膨張データを用いて最小自乗法により求めたものである。

NIST SRM Ceria 640bの格子定数=5.41129Å at 298.15K

NIST SRM Ceria 640bの格子定数 at c0 (K)
= 5.41100*(1+(-0.24805+0.00074078*c0+3.8492*(10-7)*(c02)-6.4906*(10-11)*(c03))/100)

vaspの価電子密度分布をVESTAで描く

vaspでは価電子密度のデータが格子体積をかけた形で記録されている。また、Å-3の単位で記録されている。一方、2009年1月現在, VESTAは原子単位であると見なして読み込むため、VESTAで価電子密度を描くと見かけ上密度が6.7483倍だけ高くなりすぎている。
cf ボーア半径=5.291772108(18)×10-11, m=0.5291772108(18) Å

HERMESで高温炉を使うときの留意点

試料の高さに応じて試料台のスペーサーの高さを調節する。目安は次の通り。
  • 試料の高さ=3.5 cm: スペーサー=10 mm, スリット下=5 mm
  • 試料の高さ=4 cm: スペーサー=5 mm, スリット下=10 mm
  • 試料の高さ> 4.5 cm: スペーサー無し, スリット下=15 mm
  • 試料の高さ~2.5 cm:  スペーサー=5 mm+G板4.5 mm, スリット下=12 mm
  • 試料は直径1.3 cm程度、高さが合計で5 cm以上の焼結体であることが好ましい
焼結体を数個使うことが多いが、予め積み上げて安定でくずれないように、また積み上げたとき垂直な棒になるように紙やすりなどで削って平行度を上げておくこと

試料台の上の白金板

通常は白金板を用いるが、Baを含む化合物の場合Pt板を使ってはいけない

必ず引用しなければならない論文

M. Yashima, "In Situ Observations of Phase Transition Using High-Temperature Neutron and Synchrotron X-ray Powder Diffractometry," J. Am. Ceram. Soc., 85 [12] 2925-2930 (2002).

日本語の解説記事

八島正知、「最近の研究:高温中性子粉末回折装置の開発とセラミックス材料の結晶構造の研究」、日本結晶学会誌, 44, [2] 121-126 (2002).

BL-4B2@PF放射光粉末回折実験での留意点

2009年2月 PFの運転は連続入射・通常入射併用運転となっている。連続入射時は実験を行うことができる。通常入射の際も実験を行うことが一応はできる。しかし、モード変更があるときは避けたほうが良い。また、モード変更が無いとしても強度が変わるので、そのときには測定をしないほうが無難であろう。ギャップ変更が終わっても特にアナウンスが無いこともある。9時にギャップ変更があれば、5-10分で終わる。そしてPF-ARへの入射があるとビームがいったん下がってから元に戻る。運転状況をウェッブで確認し、強度が元に戻り次第スタートしてよい。

測定時の注意

  • エッジ高さはきちんとセットしましたか?(手動で6箇所)
  • 試料は回転していますか?
  • モノクロは暖まっていますか?(あらかじめ5分程度はビームをあてておく)
  • 測定時間は Dual Counter Timer にて正確に設定されていますか?
  • もう一度、測定する角度範囲とステップ幅、傾斜角度をしっかりと確認の上スタートしてください
  • エッジ高さはきちんとセットしましたか?(手動で6箇所)

高温測定時の試料

あらかじめ実験室で熱処理してください。熱処理後、焼結による収縮があれば、粉をさらに充填してさらに熱処理します。これを繰り返すと、高温で測定中に試料が変形することが少なくなるので安心です。

引用しなければならない論文

試料高温加熱装置 M. Yashima, M. Tanaka, K. Oh-uchi and T. Ida, “A compact furnace for synchrotron powder diffraction measurements up to 1807 K”, J. Appl. Crystallogr., 38, [5] 854-855 (2005).
試料高温加熱装置 M. Yashima, K. Oh-uchi, M. Tanaka and T. Ida, “A Compact Furnace for Synchrotron Powder Diffraction Experiments up to 1800 K”, J. Am. Ceram. Soc., 89, [4] 1395-1399 (2006).
日本語による解説記事 八島正知、「高分解能放射光粉末回折法により研究した無機物質の結晶構造と電子密度」, 日本結晶学会誌、49, [6], 354-358 (2007).
回折計 H. Toraya, H. Hibino, and K. Ohsumi, ‘‘A New Powder Diffractometer for Synchrotron Radiation with a Multiple-Detector System,’’ J. Synchrotron Rad., 3, [2] 75–83 (1996).
井田先生によるウェッブ解説はこちら