実験装置

パルスESR測定装置 強力なマイクロ波パルスを、どのタイミングでどれくらいの長さ照射するか、 というようにパルス系列を自由自在に組むことで、電子スピンに関する様々な情報を取得可能です。 またレーザーと同期させることで、光照射によって生じた短寿命のラジカルも測定することが可能です。


ATR吸収分光装置 ATR (Attenuated Total Reflection, 減衰全反射法)は、固体と液体の界面における 液体の状態を観測するために使われています。固液界面は、触媒反応や電極反応の起こる領域あり、 研究が盛んに行われている領域です。固液界面において、固体表面は不安定な状態になっており、 液体もその影響をうけて特異な構造に変化します。我々は、ATRと吸収分光法を用いて 界面での構造や電子状態の変化を解き明かそうとしています。

蛍光寿命測定装置 分子の中には、光を吸収し、そのエネルギーを再び光として放出するものがあります。 この光は発光分子種に特有で分子の周辺環境に敏感なことから、試料からの発光を測定することで、 発光分子種の同定や周辺情報の取得が可能です。特に蛍光寿命の測定では、 分子周辺の溶媒和や分子の回転など、動的な情報を得ることができます。


近赤外発光測定装置 近赤外に発光を持つ分子として、液相中の一重項酸素の挙動について研究しています。 酸素は最も身近な分子でありながら基底状態が三重項状態となっているとても珍しい分子で、 その最低励起状態である一重項酸素は、生体内や大気中で様々な化学反応を起こします。 我々は、光増感反応で生成した一重項酸素の発光スペクトルや発光寿命を測定することで、 一重項酸素の化学反応や溶媒和の状態について調べています。

過渡吸収測定装置 パルスレーザーと同期しながら検出用ランプをパルス点灯させることで、光照射により生成する 短寿命励起分子が生成し、緩和していく様子を観測することが出来ます。これにより、 励起分子の寿命や反応の速度定数を決定することが出来ます。 当研究室では、主に、励起分子と消光剤の消光反応速度を求めるために利用しており、 また異性化反応などの反応速度についても調べることができます。


その他分析機器 その他に所有する分析機器として、吸光光度計、粘度計、水分計、 DSC(示差走査熱量測定装置)などがあります。